【完全保存】従業員が業務中・通勤中に重大な事故にあったときの手続き

 

 

従業員が業務中・通勤中に重大な事故にあったときの手続きに関するおおまかな項目は、次のようになっています。

 

  • 交通事故に巻き込まれたとき:第三者行為災害届を提出する
  • 障害が残ったとき:障害(補償)給付を受ける手続きを進める
  • 死亡したとき①:遺族(補償)給付を受ける手続きを進める
  • 死亡したとき②:葬祭料・葬祭給付を受ける手続きを進める

 

ここで紹介する手続きのほとんどが、従業員が自ら記入しなければならない・必要な書類を集めなければならないものになります。しかし、従業員が重大な事故にあった場合、自ら書類を作成することは難しく、従業員の家族が作成することも多くあります。

 

上記の①~⑤の項目の詳細を説明していきます。

 

 

交通事故に巻き込まれたとき

 

通勤中に交通事故に巻き込まれたり、外回りの勤務中に暴行に合うなど、使用者と労働者以外の第三者の行為によって引き起こされた業務中・通勤中の病気やケガを第三者行為災害と言います。

業務中・通勤中に受けた傷病は、基本的に労働者災害補償保険(以下、労災保険)の給付によって保証されます。一方、第三者の行為によって引き起こされた傷病の損害賠償については、第三者に直接請求することができます。

そのため、第三者の行為によって引き起こされた傷病を受けた被災者は、労災保険の給付と第三者からの損害賠償を二重で受けることができるようになります。

そこで、労災保険では、第三者の行為によって引き起こされた傷病に係る給付を調整することで、損害に対する適正な補償となるようにしています。

労災保険の給付と第三者からの損害賠償の調整は、管轄する労働基準監督署に、「第三者行為災害届」を提出することから始まります。

井上とまと

第三者行為災害届を提出することで、労災保険の給付と第三者からの損害賠償の調整は自動で調整されます。

故意に「第三者行為災害届」を提出せず、労災保険の給付と第三者からの損害賠償の両方から金銭などを得た場合は、被災者のみならず、事業主も罪に問われる場合があります。第三者の行為によって引き起こされた傷病を受けた場合は、速やかに「第三者行為災害届」を提出しましょう。

 

障害が残ったとき

 

業務中・通勤中に受けた傷病が治った(症状固定した)後に、従業員に障害が残った場合には、障害等級に応じて、労災保険から障害(補償)給付を受けることができます。

障害等級は1~14級に区分されていて、障害の状態が最も重いのが1級、最も軽いのが14級です。障害等級1~7級は年金として障害特別年金が、障害等級8~14級は一時金として障害特別一時金が支給されます。

障害(補償)給付の請求は、管轄する労働基準監督署に、「障害補償給付支給請求書」または「障害給付支給請求書」を提出して行います。

「障害補償給付支給請求書」または「障害給付支給請求書」を提出するときには、労災指定病院などでもらった「診断書」などを添付する必要があります。

 

死亡したとき①

 

業務中・通勤中に受けた傷病により、従業員が死亡した場合には、遺族に対して、労災保険から遺族(補償)給付が支給されます。

遺族(補償)給付は、従業員に受給資格者(下図のような要件を満たす遺族)がいる場合には、年金として遺族(補償)年金が支給され、従業員の死亡当時に遺族(補償)年金を受給できるものがいない場合は、特定の範囲の遺族(下図のような遺族)に遺族(補償)一時金が支給されます。

遺族(補償)年金の請求は、管轄する労働基準監督署に、「遺族補償年金支給請求書」または「遺族年金支給請求書」を提出して行います。

遺族(補償)一時金の請求は、管轄する労働基準監督署に、「遺族補償一時金支給請求書」または「遺族一時金支給請求書」を提出して行います。

「遺族補償年金支給請求書」、「遺族年金支給請求書」、「遺族補償一時金支給請求書」、「遺族一時金支給請求書」を提出するときには、従業員の死亡の事実や死亡した日を証明できる書類(「死亡診断書」など)、死亡した従業員と遺族の関係を証明できる書類(「戸籍謄本」など)、死亡した従業員によって生計を維持していたことが分かる書類などが必要になります。

 

死亡したとき②

 

業務中・通勤中に受けた傷病により、従業員が死亡して葬儀を行った場合、葬儀を行った遺族もしくは葬儀を行った会社に対して葬祭料または葬祭給付が支給されます。

業務中の災害の場合は葬祭料、通勤中の災害の場合は葬祭給付が支給されます。

葬祭料の給付額は、315,000円+給付基礎日額30日分または給付基礎日額60日分のいずれか多い方の額となります。

葬祭料の請求は、管轄する労働基準監督署に、「葬祭料請求書」または「葬祭給付請求書」を提出して行います。

「葬祭料請求書」または「葬祭給付請求書」を提出するときには、従業員の死亡の事実や死亡した日を証明できる書類(「死亡診断書」など)などが必要になります。

 

以上で、従業員が業務中・通勤中に重大な事故にあったときの手続きに関するおおまかな項目の説明が終わりました。

 

前述のとおり、従業員が業務中・通勤中の負傷により障害を負った、または死亡した場合の手続きは、従業員または従業員の家族が行わなければなりません。事業所は自由の利かない従業員や、精神的に落ち込んでいる家族の適格な支援ができるよう、手続きに対するアナウンスやアドバイスをするといいでしょう。

 

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