【徹底比較】MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする投資信託【2022年上半期】

 

 

MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、新興国を対象とした株価指数として世界中で広く利用されています。その高い指標性は、相場動向を測る指標としてだけでなく、多くの金融商品でも活用されています。

新興国の株式に投資する投資信託のベンチマークとしても有名です。MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする投資信託は非常に多く、つみたてNISA対応の投資信託は10本あります(2022年4月現在)。

今回は、MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品10本を多角的に比較し、当サイト独自のランキングを決めていきたいと思います。

 

 

いきなり結果発表

 

 

ランキング候補一覧

 

MSCI エマージング・マーケット・インデックスに採用するつみたてNISA対応の投資信託

商品名委託会社設定日
たわらノーロード・新興国株式:たわらアセットマネジメントOne株式会社2016年3月14日
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・新興国株式インデックスファンド:ニッセイニッセイアセットマネジメント株式会社2017年10月13日
野村・インデックスファンド・新興国株式(愛称:Funds-i 新興国株式):Finds-i野村アセットマネジメント株式会社2010年11月26日
三井住友・DC新興国株式・インデックスファンド:三井住友三井住友DSアセットマネジメント株式会社2011年4月18日
i-SMT・新興国株式インデックス(ノーロード):i-SMT三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社2018年1月12日
SMT・新興国株式インデックス・オープン:SMT三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社2008年12月15日
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス:eMAXIS Slim三菱UFJ国際投信株式会社2017年7月31日
eMAXIS 新興国株式インデックス:eMAXIS三菱UFJ国際投信株式会社2009年10月28日
つみたて新興国株式:つみたて三菱UFJ国際投信株式会社2017年8月16日
Smart-i 新興国株式インデックス:Smart-iりそなアセットマネジメント株式会社2017年8月29日

設定日が最も古いものは、2008年12月15日のSMT・新興国株式インデックス・オープン、最も新しいものは2017年8月29日のSmart-i 新興国株式インデックスです。

アクティブ運用に区分されている投資信託はありません。

 

基準価額&騰落率ランキング

 

基準価額は、SMT・新興国株式インデックス・オープンが唯一3万円台を超えています。次いで、eMAXIS 新興国株式インデックス、野村・インデックスファンド・新興国株式(愛称:Funds-i 新興国株式)が続きます。基本的には設定からの期間が長い順となっていますが、SMT・新興国株式インデックス・オープンだけは突出して大きな数字となっています。

騰落率は、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスが驚異の50%オーバーとなっています。2位以下は50%に届かないものの、2位のSmart-i 新興国株式インデックスと3位のつみたて新興国株式は40%超と十分に素晴らしい数字です。また、最下位の三井住友・DC新興国株式・インデックスファンドですら10%を超えており、商品群の成長性は良好です。

 

純資産総額&資産の流入出ランキング

 

純資産総額は、60,656百万円のeMAXIS Slim 新興国株式インデックスが、500億円超ととびぬけて大きな数字となっています。次いで、38,285百万円のeMAXIS 新興国株式インデックス、28,576百万円のSMT・新興国株式インデックス・オープンが続きます。対象の10本のうち、5本が100億円超、5本が100億円未満となっています。最下位のi-SMT・新興国株式インデックス(ノーロード)は1億円程度の規模です。

資産の流入出は、1~7の7段階で評価しています。いずれも、直近3年間(2019年~2021年)の資産の流入出の合計額を基準に評価をつけています。詳細は以下のとおりです。

  • 50億円超のマイナス
  • 10億円以上50億円未満のマイナス
  • 10億円未満のマイナス~10億円未満プラス
  • 10億円以上50億円未満のプラス
  • 50億円以上200億円未満のプラス
  • 200億円以上500億円未満のプラス
  • 500億円以上のプラス

基本的には純資産総額の大きさに応じて資産の流入額も大きくなります。ただし、eMAXIS 新興国株式インデックスだけは純資産総額が大きにもかかわらず、資産が流出傾向にあります。

 

トータルリターン(平均年率)ランキング

 

トータルリターンは、設定から2022年4月または5月までの平均的な年率で表しています。具体的には、設定来のトータルリターンを設定から2022年4月または5月までの月数で除した値に12を乗じて得た数字となっています。

平均年率10%以上のファンドは、SMT・新興国株式インデックス・オープンとたわらノーロード・新興国株式だけで、以下は7%台が3本、5%台が2本、5%以下が3本となっています。全体的にリターンは小さい傾向にあります。

設定から3年が経過しているのは、10ファンド中10ファンドで、3年間の平均年率はすべて10%には届いていません。1位~7今では8%台です。世界情勢から予測すると、3年間の平均年率が10%になるのは難しいでしょう。

 

信託報酬ランキング

 

0.1%台のファンドは1つだけです。0.1870%のeMAXIS Slim 新興国株式インデックスです。次いで、0.2%台のニッセイ・新興国株式インデックスファンド、0.3%台のi-SMT・新興国株式インデックス(ノーロード)が続きます。以下は4ファンド中4本が0.3740%、3ファンドが0.6600%となっています。

購入時手数料と信託財産留保額(解約時手数料)がかかるのは、SMT・新興国株式インデックス・オープン、野村・インデックスファンド・新興国株式(愛称:Funds-i 新興国株式)で、信託財産留保額(解約時手数料)のみかかるのは、i-SMT・新興国株式インデックス(ノーロード)、たわらノーロード・新興国株式、eMAXIS 新興国株式インデックスでした。

 

おまけ

 

MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の投資信託(10ファンド)のうち、すべてのファンドがインデックスファンドとなっています。インデックスファンドの重要な評価事項の1つに、「ベンチマークとの乖離度」があります。

インデックスファンドは、ベンチマークと乖離がないほど評価が高くなります。具体的には、基準価額の騰落率と、ベンチマーク騰落率を比較し、その差を乖離度として評価します。一方、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用を目指していますから、ベンチマークよりも騰落率が大きくなっていなければなりません。

当記事で紹介しているインデックス運用の10ファンドは、ベンチマークから大きく乖離しているファンドはないものの、ベンチマーク騰落率をやや下回るものも少なからずあります。

 

取引のしやすさランキング

 

インターネット証券大手5社で取り扱っているかのランキングとなります。インターネット証券大手5社は、SBI証券、楽天証券、松井証券、SMBC日興証券、マネックス証券としています。

10ファンド中10ファンドが大手5社のすべてで取引が可能です。そのため、取引のしやすさのランキングは付けられません。

 

当サイトの評価ランキング

 

当サイトでは、すべての投資信託において、純資産総額、資産の流入出、トータルリターン、信託報酬、ベンチマークとの乖離度、シャープレシオ、標準偏差の7項目を1~7段階(1が最も悪く7が最も良い)で評価値をつけています。7項目の合計値の順位も確認していきます。ただし、今回の対象となる10ファンドは、設定から3年が経過していないものが多く、3年間の経過で評価をつけているシャープレシオや標準偏差の評価値は合計値から除いています。

トップは合計30のeMAXIS Slim 新興国株式インデックスになりました。ただし、2位のSMT・新興国株式インデックス・オープンとは3ポイント、同率3位のつみたて新興国株式とたわらノーロード・新興国株式とは4ポイントの差しかありません。

評価値を細分化して見ていくと、純資産総額および資産の流入出の状況がランキングの決め手となっています。一方で、シャープレシオや標準偏差などのリスク数値はほとんど差がありません。そして、他の指数のランキングと比べると、リスク数値は極めて評価が低いです。これはMSCI エマージング・マーケット・インデックスのカントリーリスクを反映したものになっていると言えるのではないでしょうか。

 

総合ランキング

 

MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークに採用しているため、現在の社会情勢がかなりの向い風となっています。そのため、純資産総額などのファンドの安定性が非常に重要になってきます。新興国の株式指数をベンチマークとしているため、標準偏差は潜在的に大きくなります。反対に、コスト面でのリスクはファンドごとに特徴があるため、順位付けの大きなポイントになるでしょう。

純資産総額は100億円を超えていれば問題ないでしょう。資産の流入状況や騰落率は将来性を表す指標でもあるため、重要な指標となります。数字の良いものは加点され、悪いものは減点されます。

信託報酬は0.1%と0.2%台の2ファンドは良、以上0.3%台の5ファンドは可、0.5%以上の3ファンドは不可の評価になります。

取引のしやすさは個人投資家を対象としたランキングにおいて重要ですが、10ファンド中10ファンドが取引しやすい(取り扱っている金融機関・証券会社が多い)評価となっているため、差は付けられません。当サイトの評価は参考程度の指標となります。

 

 

5位

eMAXIS 新興国株式デックス:三菱UFJ国際投信株式会社

5位の時点で先に言っておきますが、MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークに採用しているつみたてNISAの投資信託の総合ランキングは、当サイトの評価のランキングにおおむね準じています。対象が10ファンドであること、リスク値の評価が総じて低いこと、トータルリターンも決して大きくないことから、明確に差をつけにくいということもありますが、他の指数に比べて指数自体の人気が低いことが一番の原因です。

 

4位

つみたて新興国株式:三菱UFJ国際投信株式会社

多くのランキングでトップ3には入らなかったものの、常に4~5位につけていたことで、総合的にも4位となりました。総じて平均よりやや上の数字となっています。新興国の株式を投資対象とするオーソドックスな投資信託に興味がある人には向いているでしょうが、正直なところ強く惹かれるものはありません。

 

3位

たわらノーロード・新興国株式:アセットマネジメントOne株式会社

各項目でトップ3に入ります。コスト面と収益面のバランスが取れたファンドです。たわらノーロードシリーズで他の資産を運用しているのであれば、有無をいわず当ファンドを選んでおけばいいでしょう。資産の流入状況や騰落率もまずまずで、将来性も感じられるのがポジティブな部分です。

 

2位

SMT・新興国株式インデックス・オープン:三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

設定からの期間が長いのが強みです。トータルリターンの平均年率は10ファンド中唯一15%を超えています。新興国の株式市場は、直近の動向が芳しくなく、今後もポジティブ要因よりもネガティブ要因の方多いため、安定した基盤があるというのは、それだけでランキング上位のポイントになります。ただし、資産の流入状況や騰落率があまりよくないため、結果的に2位という順番に落ち着きました。

 

1位

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス:三菱UFJ国際投信株式会社

実績としては2位に劣りますが、圧倒的な将来性と安定性によってトップに輝きました。新興国の株式に投資する投資信託には、カントリーリスクと先行きの不透明感が常に付きまといます。一方で、投資する目的は先進国を超える急成長の可能性です。そのため、ファンドが安定していれば相対的にリスクを軽減させることができ、騰落率や資産の流入状況がよければ成長を加速させる要因になります。当ファンドは他の9ファンドよりも、その2点が大きく勝っています。

 

以上、MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品の独自のランキングでした。投資信託は日々変動していくものです。経過に応じて評価も変動していきます。今回のランキングも定期的に更新していきたいと思います。

 

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