【徹底比較】国外の株式を投資対象とする投資信託【2022年上半期】

 

株式を投資対象とする投資信託において、最も重要なことの一つは「どの国・地域」の株式を選ぶかという点にあります。その中で、国外(外国)の株式を選ぶというのは、日本人の投資家のポートフォリオを考えるうえで非常に重要です。日本人なら国内(日本)の資産(通貨・不動産・株式など)を持っているのは当然ですが、資産の分散性を考えると、国外(外国)の資産も持っておきたいところです。

国外の株式だけに投資するつみたてNISA対応の投資信託は42本あります(2022年4月現在)。採用されているベンチマークは、MSCI コクサイ・インデックス、FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、S&P500指数、CRSP US・トータル・マーケット・インデックス、MSCI エマージング・マーケット・インデックス、FTSE RAFI エマージング・インデックス、FTSE エマージング・インデックスの7つです。

今回は、国外の株式だけに投資するつみたてNISA対応の商品42本を多角的に比較し、当サイト独自のランキングを決めていきたいと思います。

 

 

いきなり結果発表

 

 

ランキング候補一覧

 

国外の株式だけに投資するつみたてNISA対応の投資信託

商品名ベンチマーク設定日
SBI・新興国株式インデックスファンド(愛称:雪だるま(新興国株式)):雪だるま新興国FTSE エマージング・インデックス2017年12月6日
SBI・先進国株式インデックスファンド(愛称:雪だるま(先進国株式)):雪だるま先進国FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス2018年1月12日
SBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500):SBI S&PS&P500指数2019年9月26日
SBI・V・全米株式インデックスファンド(愛称:SBI・V・全米株式):SBI全米CRSP US・トータル・マーケット・インデックス2021年6月29日
たわらノーロード・新興国株式:たわら新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2016年3月14日
たわらノーロード・先進国株式:たわら先進国MSCI コクサイ・インデックス2015年12月18日
たわらノーロード・先進国株式(為替ヘッジあり):たわら先進国HMSCI コクサイ・インデックス2016年10月3日
米国株式インデックスファンド:SSGAS&P500指数2017年9月29日
iFree S&P500インデックス:iFree S&PS&P500指数2017年8月31日
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり):iFree 外国HMSCI コクサイ・インデックス2017年8月31日
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし):iFree 外国MSCI コクサイ・インデックス2016年9月8日
iFree 新興国株式インデックス:iFree 新興国FTSE RAFI エマージング・インデックス2016年9月8日
東京海上セレクション・外国株式インデックス:東京海上MSCI コクサイ・インデックス2010年4月28日
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド:〈なし〉外国MSCI コクサイ・インデックス2013年12月10日
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・新興国株式インデックスファンド:〈なし〉新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2017年10月13日
農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500:農林中金S&P500指数2017年10月13日
NZAM・ベータ・S&P500:NZAMS&P500指数2020年2月13日
野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式):Funds-i 外国MSCI コクサイ・インデックス2010年11月26日
野村・インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型(愛称:Funds-i 外国株式・為替ヘッジ型):Funds-i 外国HMSCI コクサイ・インデックス2013年5月7日
野村・インデックスファンド・新興国株式(愛称:Funds-i 新興国株式):Funds-i 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2010年11月26日
野村・スリーゼロ先進国株式投信:スリーゼロMSCI コクサイ・インデックス2020年3月16日
外国株式指数ファンド:外国株式MSCI コクサイ・インデックス2009年10月19日
三井住友・DC新興国株式インデックスファンド:三井住友MSCI エマージング・マーケット・インデックス2011年4月18日
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500):SMBC S&PS&P500指数2020年7月22日
SMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ):SMBC 外国MSCI コクサイ・インデックス2020年7月22日
My SMT・グローバル株式インデックス(ノーロード):My SMT 先進国MSCI コクサイ・インデックス2017年11月24日
My SMT・新興国株式インデックス(ノーロード):My SMT 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2018年1月12日
SMT・グローバル株式インデックス・オープン:SMT 先進国MSCI コクサイ・インデックス2008年1月9日
SMT・新興国株式インデックス・オープン:SMT 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2008年12月15日
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス:eMAXIS Slim 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2017年7月31日
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:eMAXIS Slim 先進国MSCI コクサイ・インデックス2017年2月27日
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):eMAXIS Slim S&PS&P500指数2018年7月3日
eMAXIS 新興国株式インデックス:eMAXIS 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2009年10月28日
eMAXIS 先進国株式インデックス:eMAXIS 先進国MSCI コクサイ・インデックス2009年10月28日
つみたて新興国株式:つみたて新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2017年8月16日
つみたて先進国株式:つみたて先進国MSCI コクサイ・インデックス2017年8月16日
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり):つみたて先進国HMSCI コクサイ・インデックス2017年8月16日
つみたて米国株式(S&P500):つみたてS&PS&P500指数2020年3月6日
楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)):楽天S&PCRSP US・トータル・マーケット・インデックス2017年9月29日
Smart-i 新興国株式インデックス:Smart-i 新興国MSCI エマージング・マーケット・インデックス2017年8月29日
Smart-i 先進国株式インデックス:Smart-i 先進国MSCI コクサイ・インデックス2017年8月29日
Smart-i S&P500インデックス:Smart-i S&PS&P500指数2020年7月29日

設定日が最も古いものは、2008年1月9日のSMT・グローバル株式インデックス・オープンで、最も新しいものは2021年6月29日のSBI・V・全米株式インデックスファンド(愛称:SBI・V・全米株式)です。

アクティブ運用に区分されている投資信託は除いています。

 

基準価額&騰落率ランキング

 

基準価額は、4万円超のファンド3つ。1位の外国株式指数ファンド、2位の野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式)、3位のeMAXIS 先進国株式インデックス。4位と5位は3万円台で、東京海上セレクション・外国株式インデックスと、SMT・新興国株式インデックス・オープンが入りました。上位9ファンド以外は1万円台の基準価額となっています。

eMAXIS バランス(8資産均等型)が、37ファンド中唯一2万円台を超えました。次いで、野村・インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型(愛称:Funds-i 内外7資産バランス・為替ヘッジ型)と、eMAXIS 最適化バランス(マイストライカー)が、1万5,000円を超えています。楽天・資産づくりファンドシリーズは、基準価額を表記していません。設定日から数か月しか経過してないため、後の評価項目においても除外されます。

騰落率は、全体的に大きく、基準価額が小さくても騰落率は大きいというものも少なくありません。上位4ファンド(eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、東京海上セレクション・外国株式インデックス、米国株式インデックスファンド)は50%を超えています。

 

純資産総額&資産の流入出ランキング

 

純資産総額は、上位4ファンドが3,000億円超と、国内の株式を投資対象とするつみたてNISA対応の投資信託よりもはるかに大きな規模であることがわかります。トップは4,000億円間近のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)となり、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド、楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))、SBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500)がそれに続きます。一方、10億円に満たないファンドも片手で数える程度にはあります。

資産の流入出は、1~7の7段階で評価しています。いずれも、直近3年間(2019年~2021年)の資産の流入出の合計額を基準に評価をつけています。詳細は以下のとおりです。

  • 50億円超のマイナス
  • 10億円以上50億円未満のマイナス
  • 10億円未満のマイナス~10億円未満プラス
  • 10億円以上50億円未満のプラス
  • 50億円以上200億円未満のプラス
  • 200億円以上500億円未満のプラス
  • 500億円以上のプラス

資産の流入出の評価は、純資産総額の大きさにほぼ比例します。上位勢(トップ5)はいずれも500億円から数千億円以上の資産が(直近3年間に)流入しています。全体的に資産は流入傾向にあり、明確に資産が流出しているファンドは全体(42ファンド)の4分の1程度です。

 

トータルリターン(平均年率)ランキング

 

比較対象である42本の投資信託は、設定日に最大で15年以上の開きがあるため、トータルリターンは過去3年間の平均的な年率で比較した方が良いでしょう。42本の投資信託の多く(8ファンド以外)が、設定日から現時点(2022年9月末)までで3年が経過していますし。

3年間の平均年率が20%を超えているファンドは8本あり、国内の株式を投資対象としたつみたてNISA対応の投資信託と比べると、リターンはかなり大きいといえます。1位は平均年率22.68%の農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500、2位は楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と、米国の株式に特化した商品が1-2を決めました。(設定日から3年が経過していない8ファンドを除いた)最下位は、平均年率が約5%のSmart-i 新興国株式インデックスとなりました。

 

信託報酬ランキング

 

1位は掟破りの信託報酬0%を謳う野村スリーゼロ先進国株式投信となりました。期間限定の数字ですが、当然の結果です。以下、5位までは0.1%を割っています。同率2位のSBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500)と、SBI・V・全米株式インデックスファンド(愛称:SBI・V・全米株式)は0.0938%、同率4位のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)は0.0968%となっています。コスト面ではS&P500指数をベンチマークにした商品が上位を独占しました。

購入時手数料がかかる商品は42ファンド中6ファンド、解約時手数料がかかる商品は42ファンド中8ファンドでした。購入時手数料がかかる商品は、先進国の株式を投資対象としたものである傾向にあり、解約時手数料がかかる商品は、新興国の株式を投資対象としたものである傾向にあります。

 

おまけ

 

国外の株式に投資する(国外の株式指数をベンチマークとする)つみたてNISA対応の投資信託(42ファンド)は、そのすべてがインデックスファンドとなっています。インデックスファンドの重要な評価事項の1つに、「ベンチマークとの乖離度」があります。

インデックスファンドは、ベンチマークと乖離がないほど評価が高くなります。具体的には、基準価額の騰落率と、ベンチマーク騰落率を比較し、その差を乖離度として評価します。一方、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用を目指していますから、ベンチマークよりも騰落率が大きくなっていなければなりません。

国内の株式に投資する(国内の株式指数をベンチマークとする)つみたてNISA対応の投資信託42本については、ベンチマークを大きく下回っているものはありませんでした(ベンチマーク騰落率が算出されていない1ファンドを除く)。半数以上の商品が、基準価額の騰落率とベンチマークの騰落率の差は△1.0%~▲1.0%の範囲でした。ただし、それ以外の商品については、1.0%以上基準価額の騰落率の方が大きいものよりも、0.1%以上ベンチマークの騰落率の方が大きいものの方が多くなっています。

 

取引のしやすさランキング

 

インターネット証券大手5社で取り扱っているかのランキングとなります。インターネット証券大手5社は、SBI証券、楽天証券、松井証券、SMBC日興証券、マネックス証券としています。

42ファンド中36ファンドが大手4社以上の証券会社で取り扱っています。4社と5社すべての違いはありますが、評価としては差を付けなくていいでしょう。SBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500)は、2社で取り扱っていないため、36ファンドよりはやや評価が下がります。SBI・V・全米株式インデックスファンド(愛称:SBI・V・全米株式)は1社のみ、野村スリーゼロ先進国株式投信、SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)、農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500、SMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ)はインターネット証券での取り扱いがないため、大木評価を下げることになります。

 

当サイトの評価ランキング

 

当サイトでは、すべての投資信託において、純資産総額、資産の流入出、トータルリターン、信託報酬、ベンチマークとの乖離度、シャープレシオ、標準偏差の7項目を1~7段階(1が最も悪く7が最も良い)で評価値をつけています。7項目の合計値の順位も確認していきます。また、投資対象が(国内の)株式に限定されているため、リスクの程度についても把握しておく必要があります。そのため、今回は当サイトの評価を、合計値とリスク値から評定していきます。

1位は38ポイントのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)になりました。ただし、1位以下は団子状態で、2位は37ポイントで同率2ファンド、4位は36ポイントで同率3ファンドが並びます。また、SBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500)は、(設定日から3年が経過していないため)リスク値(シャープレシオおよび標準偏差)の評点が0であるにもかかわらず、合計値31で11位にランクインするなど、今後が楽しみなファンドも多くあります。

リスク値は8ポイントのiFree S&P500インデックス、米国株式インデックスファンド、農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500がトップ3を飾りました。上位勢は先進国の株式を投資対象とした商品が並び、下位勢は新興国を投資対象とした商品が並びました。カントリーリスクとして先進国よりも新興国の方が潜在的なリスクや値動きが大きかったことに加え、リターンに大きな乖離があったことが原因でしょう。

 

総合ランキング

 

国外の株式に投資するつみたてNISA対応の投資信託(42ファンド)は、投資対象の地域・国が限定されていないため、収益性・安全性ともに大きな差が生じています。ただし、いずれの地域・国に投資していたとしても、国内の株式に投資する商品よりはおおむねハイリスク・ハイリターンとなっているため、国内の株式に投資する投資信託のランキングよりは、リターンの重要性が増します。また、投資対象の地域・国によってカントリーリスクなどの潜在的なリスクにもばらつきがあります。各々の投資信託が使用しているベンチマークも7種類と多いため、ランキングの順位はかなり明確につけることができます。

純資産総額は100億円を超えていれば問題ないでしょう。資産の流入状況や騰落率は将来性を表す指標でもあるため、重要な指標となります。数字の良いものは加点され、悪いものは減点されます。信託報酬は0.1%未満が優、0.1%台が良、0.2~0.4%台が可、0.4以上が不可になります。

取引のしやすさは個人投資家を対象としたランキングにおいて重要ですが、42ファンド中36ファンドが取引しやすい(取り扱っている金融機関・証券会社が多い)評価となっているため、差は付けられません。当サイトの評価は参考程度の指標となります。

 

 

5位

農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500:農林中金全共連アセットマネジメント株式会社

 

4位

つみたて先進国株式:三菱UFJ国際投信株式会社

 

3位

〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド:ニッセイアセットマネジメント株式会社

 

2位

楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)):楽天投信投資顧問株式会社

 

1位

eMAXIS Slim米国株式(S&P500):三菱UFJ国際投信株式会社

 

国外の株式だけに投資するつみたてNISA対応の投資信託42本を大きく分けると、(日本を除く)先進国の株式に投資するもの、米国の株式だけに投資するもの、新興国の株式に投資するものの3つに区分されます。この3つのうち、最も成績がいいのは米国の株式だけに投資するもので、総合ランキングでも1位、2位、5位は米国の株式だけに投資するものとなっています。ランキングのポイントは、コスト(信託報酬)とパフォーマンス(リターン)の兼ね合いに加え、ファンドの安定性を加味するというオーソドックスなものになっています。特に、米国の株式や先進国の株式は収益性が高いため、順位も比較的明確に付けることができます。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)と、楽天・全米株式インデックスファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))の間に、コストパフォーマンス上の差は小さいですが、設定日からの期間とファンド規模のバランスを加味すると、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が大きく勝ります。5位の農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA米国株式・S&P500も、設定日からの期間が短いため、今後の動向によってはトップ5から抜ける可能性は大いにあります。

先進国の株式に投資するものからは、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンドと、つみたて先進国株式の2つがトップ5に入りました。信託報酬が0で収益性も一定域にある野村スリーゼロ先進国株式投信も魅力的ですが、取り扱いの難しさから前述の2ファンドには及びませんでした。

 

以上、国外の株式だけに投資するつみたてNISA対応の投資信託の独自のランキングでした。投資信託は日々変動していくものです。経過に応じて評価も変動していきます。今回のランキングも定期的に更新していきたいと思います。

 

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