【徹底比較】MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークとする投資信託【2022年上半期】

 

 

MSCI コクサイ・インデックスは、先進国を対象とした株価指数として世界中で広く利用されています。その高い指標性は、相場動向を測る指標としてだけでなく、多くの金融商品でも活用されています。

先進国の株式に投資する投資信託のベンチマークとしても有名です。MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークとする投資信託は非常に多く、つみたてNISA対応の投資信託は18本あります(2022年4月現在)。

今回は、MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品18本を多角的に比較し、当サイト独自のランキングを決めていきたいと思います。

 

 

いきなり結果発表

 

理由はこれから説明していきます。

 

ランキング候補一覧

 

MSCI コクサイ・インデックスに採用するつみたてNISA対応の投資信託

商品名委託会社設定日
たわらノーロード・先進国株式:たわらアセットマネジメントOne株式会社2015年12月18日
たわらノーロード・先進国株式(為替ヘッジあり):たわら(ヘッジあり)アセットマネジメントOne株式会社2016年10月3日
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり):iFree(ヘッジあり)大和アセットマネジメント株式会社2017年8月31日
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし):iFree(ヘッジなし)大和アセットマネジメント株式会社2016年9月8日
東京海上セレクション・外国株式インデックス:東京海上東京海上アセットマネジメント株式会社2010年4月28日
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド:ニッセイニッセイアセットマネジメント株式会社2013年12月10日
野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式):Funds-i野村アセットマネジメント株式会社2010年11月28日
野村・インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型(愛称:Funds-i 外国株式・為替ヘッジ型):Funds-i ヘッジ型野村アセットマネジメント株式会社2013年5月7日
野村・スリーゼロ先進国株式投信:スリーゼロ野村アセットマネジメント株式会社2020年3月16日
外国株式指数ファンド:指数ファンド三井住友DSアセットマネジメント株式会社2009年10月19日
SMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ):SMBC三井住友DSアセットマネジメント株式会社2020年7月22日
i-SMT・グローバル株式インデックス(ノーロード):i-SMT三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社2017年11月24日
SMT・グローバル株式インデックス・オープン:SMT三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社2008年1月9日
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:eMAXIS S三菱UFJ国際投信株式会社2017年2月27日
eMAXIS 先進国株式インデックス:eMAXIS三菱UFJ国際投信株式会社2009年10月28日
つみたて先進国株式:つみたて三菱UFJ国際投信株式会社2017年8月16日
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり):つみたて(ヘッジあり)三菱UFJ国際投信株式会社2017年8月16日
Smart-i 先進国株式インデックス:Smart-iりそなアセットマネジメント株式会社2017年8月29日

設定日が最も古いものは、2008年1月9日のSMT・グローバル株式インデックス・オープン、最も新しいものは2020年7月22日のSMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ)です。

アクティブ運用に区分されているファンドはありません。

 

基準価額&騰落率ランキング

 

 

基準価額は、トップ3(外国株式指数ファンド、野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式)、eMAXIS 先進国株式インデックス)が4万円超となっています。4位に3万円台の東京海上セレクション・外国株式インデックス、5位に28,714円のSMT・グローバル株式インデックス・オープンが続きます。いずれも設定から10年以上経過しているファンドです。以下は、2万円台が3本、1万円台が10本となっています。

騰落率は、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスと東京海上セレクション・外国株式インデックスの2ファンドが50%超で、40%超のファンドも5本あります。また、最下位のeMAXIS 先進国株式インデックスでさえ20%となっており、指数の成長性は抜群であると言えます。

 

純資産総額&資産の流入出ランキング

 

 

純資産総額は、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンドが2位にダブルスコア近くの差をつけています(360,786百万円)。2位は194,919百万円のeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、3位に143,971百万円のたわらノーロード・先進国株式、4位に122,945百万円のSMT・グローバル株式インデックス・オープンが続き、このあたりまでが格上のファンド規模となっています。以下、11位までが10,000百万円(100億円)のボーダーラインに入っています。

資産の流入出は、1~7の7段階で評価しています。いずれも、直近3年間(2019年~2021年)の資産の流入出の合計額を基準に評価をつけています。詳細は以下のとおりです。

  • 50億円超のマイナス
  • 10億円以上50億円未満のマイナス
  • 10億円未満のマイナス~10億円未満プラス
  • 10億円以上50億円未満のプラス
  • 50億円以上200億円未満のプラス
  • 200億円以上500億円未満のプラス
  • 500億円以上のプラス

資産の流入出の状況と純資産総額の順位はほぼ同じです。ただし、純資産総額5位のeMAXIS 先進国株式インデックスだけは逆行し、大幅に資産が流出しています。また、純資産総額が10億円に満たないファンド(ワースト3)は資産の流出傾向にあります。

 

トータルリターン(平均年率)ランキング

 

 

トータルリターンは、設定から2022年4月または5月までの平均的な年率で表しています。具体的には、設定来のトータルリターンを設定から2022年4月または5月までの月数で除した値に12を乗じて得た数字となっています。

1位は平均年率48%超の野村・スリーゼロ先進国株式投信となりました。設定からの期間が短いため、安定的な値ではありません。そのため、数字自体を過信しすぎてはいけませんと言いたいところですが、さらに驚くべき要素もあり、非常に気になる商品となっています。以下、30%以上のファンドが2本(野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式)、SMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ))続きます。

設定から3年間の平均年率は、おおむね20%がベースになっています。野村・スリーゼロ先進国株式投信とSMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ)は設定から3年が経過していません。20~19%未満の5ファンドについては、収益性がやや劣るという判断になるでしょう。

 

信託報酬ランキング

 

 

信託報酬は、1位に驚異の0.0000%に設定されている野村・スリーゼロ先進国株式投信が入りました。信託報酬0の期間は一時的(10年程度)とはいえ、これを実現できているファンドはつみたてNISA対応の投資信託の中にはありませんし、すべての投資信託を見回しても数えるほどしかありません。2位から5位まで(〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、SMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ)、たわらノーロード・先進国株式)はすべて0.1%台となっています。また、0.2%以上のファンドは5本だけとなっており、指数のコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

購入時手数料がかかるのは、SMT・グローバル株式インデックス・オープン、野村・インデックスファンド・外国株式(愛称:Funds-i 外国株式)、野村・インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型(愛称:Funds-i 外国株式・為替ヘッジ型)の3ファンドで、信託財産留保額(解約時手数料)がかかるのは、SMT・グローバル株式インデックス・オープンだけでした。

 

おまけ

 

MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の投資信託(18ファンド)は、すべてインデックスファンドとなっています。インデックスファンドの重要な評価事項の1つに、「ベンチマークとの乖離度」があります。

インデックスファンドは、ベンチマークと乖離がないほど評価が高くなります。具体的には、基準価額の騰落率と、ベンチマーク騰落率を比較し、その差を乖離度として評価します。一方、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用を目指していますから、ベンチマークよりも騰落率が大きくなっていなければなりません。

当記事で紹介しているインデックス運用の18ファンドは、ベンチマークとの乖離度が小さいものが10本、基準価額の騰落率がベンチマーク騰落率をやや下回っているものが6本となっています。一方、iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)とiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)の2ファンドは、基準価額の騰落率がベンチマーク騰落率を大きく上回っています。

MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の投資信託(18ファンド)の中には、為替ヘッジが「ある」ものがあります。ファンド名に「為替ヘッジあり」または「為替ヘッジ型」という文言が付いている4ファンドです。為替ヘッジが「ある」ものの特徴は、為替変動リスクを回避していることにあります。MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用している投資信託は、投資対象が外国の資産であるため、これを間接的にでも日本の資産に替えようとするときは、為替変動に伴うリスクが付きまといます。為替ヘッジが「ある」ことで、この為替変動リスクを回避するのですが、それによって余計な手間がかかるため、信託報酬や手数料が大きくなることもあります。今回紹介している為替ヘッジが「ある」4ファンドでは、コストの上乗せはなく、単にリスクだけが回避されています。

 

取引のしやすさランキング

 

 

インターネット証券大手5社で取り扱っているかのランキングとなります。インターネット証券大手5社は、SBI証券、楽天証券、松井証券、SMBC日興証券、マネックス証券としています。

18ファンド中15ファンドが大手5社のすべてで取引が可能です。東京海上セレクション・外国株式インデックスはマネックス証券でだけ取り扱いがありません。しかし、これによって評価を下げる必要はないでしょう。一方、野村・スリーゼロ先進国株式投信とSMBC・DCインデックスファンド(MSCI コクサイ)は、証券会社では取り扱っておらず、りそな銀行でしか売買できません。2ファンドとも他の評価が高いだけに、売買が限定されているというの非常に手痛い事実です。

 

当サイトの評価ランキング

 

 

当サイトでは、すべての投資信託において、純資産総額、資産の流入出、トータルリターン、信託報酬、ベンチマークとの乖離度、シャープレシオ、標準偏差の7項目を1~7段階(1が最も悪く7が最も良い)で評価値をつけています。7項目の合計値の順位も確認していきます。ただし、今回の対象となる10ファンドは、設定から3年が経過していないものが多く、3年間の経過で評価をつけているシャープレシオや標準偏差の評価値は合計値から除いています。

トップは合計37の〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンドになりました。ただし、同率2位のeMAXIS Slim 先進国株式インデックスとたわらノーロード・先進国株式とは1ポイントしか差がありません。4位につみたて先進国株式、5位にiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)が続きます。

今回紹介した18ファンドの中に、4本の為替ヘッジあり商品があることは説明しましたが、今回のランキングでは為替ヘッジあり商品が上位に食い込んでくることはありませんでした。数字や評価値が決して低いわけではありませんが、為替ヘッジのない商品の方が投資性や人気に優れていたということでしょう。

評価値を細分化して見ていくと、純資産総額および資産の流入出の状況が当サイトの評価ランキングに大きく貢献しています。信託報酬やトータルリターンも同率の評価値が多いものの、確実に影響しています。一方で、シャープレシオや標準偏差などのリスク数値はほとんど差がありません。これはMSCI コクサイ・インデックスの優れた分散性を表していると言えるのではないでしょうか。特に、外国の株式に投資するという潜在的なリスクが多きにもかかわらず、シャープレシオが0.80~1.00付近に位置していることは素晴らしいことです。

 

総合ランキング

 

MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用しているため、現時点ではどれを選んでもある程度のリターンは保証されています。設定からの期間が長いファンドも多く、純資産総額などのファンドの安定性は平均的に高い傾向にあります。先進国の株式指数をベンチマークとしているため、標準偏差は潜在的に大きくなります。反対に、コスト面でのリスクはファンドごとに特徴があるため、順位付けの大きなポイントになるでしょう。

純資産総額は100億円を超えていれば問題ないでしょう。資産の流入状況や騰落率は将来性を表す指標でもあるため、重要な指標となります。数字の良いものは加点され、悪いものは減点されます。

信託報酬は0.1%を割っているものは別格の扱いにするべきでしょう。0.1%を割る1ファンド、0.1%以上0.5%未満の12ファンド、0.5%以上の5ファンドという組み分けになります。

取引のしやすさは個人投資家を対象としたランキングにおいて重要です。18ファンド中16ファンドは取引しやすい(取り扱っている金融機関・証券会社が多い)傾向にあります。残りの2ファンドについては取り扱いがかなり限局されています。当サイトの評価は参考程度の指標となります。

 

 

5位

野村・インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型(愛称:Funds-i 外国株式・為替ヘッジ型):野村アセットマネジメント株式会社

4位までの順位は順調に決まりましたが、5位についてはかなり悩みました。単純な成績比較でいえば、当ファンドが5位にランクインしてくることはありません。しかし、4位以下の成績はかなり拮抗していたため、リスク値が最も高い(リスクが低い)当ファンドを5位に入れてみました。

 

4位

たわらノーロード・先進国株式:アセットマネジメントOne株式会社

総合的に数値の高いファンドです。突出した項目は少ないものの、いずれの項目も好成績にまとまっています。他の「たわらノーロード」シリーズで資産運用しているのなら、先進国株式への投資については当ファンド一択となるでしょう。

 

3位

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:三菱UFJ国際投信株式会社

成長性なら当ファンドになります。低コスト、人気、兄弟ファンドの存在など、今後の成長を非常に期待させるファンドです。事実、騰落率や資産の流入額は、他の競合ファンドと一線を画します。当サイトの総合値も3位となっています。ただし、リターンについてはやや劣る部分もあり、それを加味して3位という位置になりました。

 

2位

野村・スリーゼロ先進国株式投信:野村アセットマネジメント株式会社

設定から間もないため、ファンドとしての安定性こそ低いものの、コストパフォーマンスは最上級です。リターンも大きいうえに、(期間限定ではあるものの)信託報酬0.000%は驚嘆に値します。是非ともコストなしの投資を味わってみたいものです。惜しむらくは取引する手段が限られているということです。本来なら、この点で順位を大きく下げるのですが、当ファンドはそれでも下げきれない魅力溢れた商品です。

 

1位

〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・外国株式インデックスファンド:ニッセイアセットマネジメント株式会社

複数の項目でランキング1位を取りました。3位は将来性、2位はコストパフォーマンス、そして1位は総合力が決め手となりました。先進国の株式を投資対象とした投資信託においては、当ファンドを選んでおけばそうそう公開することはないでしょう。

 

以上、MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品の独自のランキングでした。投資信託は日々変動していくものです。経過に応じて評価も変動していきます。今回のランキングも定期的に更新していきたいと思います。

 

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